大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)6907 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人三根谷実蔵の上告趣意(後記)第一点について。

所論は憲法三一条違反をいうけれども、その実質は単なる刑訴法違反の主張に帰

し、刑訴四〇五条所定の上告理由にあたらない。のみならず、控訴審において事実

の確定に影響を及ぼさない事由(本件では量刑不当)により第一審判決を破棄して

自判する場合に第一審判決の認定した事実を基礎として法令を適用することの正当

であることは、当裁判所の判例とするところであるから(昭和二七年(あ)四一七

号同二八年一一月一〇日第三小法廷判決〔集七巻一一号二〇五一頁〕、昭和二七年

(あ)五二六一号同二九年二月九日第三小法廷判決参照)、原判決はすこしも違法

はない。

同第二点について。

原判決は、第一審判決の認定事実に法令を適用しているだけであつて、みずから

事実認定をしているのではないから、所論は原審における主張判断を経ない事項に

ついての違憲の主張にほかならず、適法な上告理由にあたらない。(なおAの司法

警察員に対する第二回供述調書には、各取引についての詳しい表が添附されている)。

被告人の上告趣意(後記)について。

所論は量刑不当の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。

また記録を調べても、本件につき刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

昭和二九年五月一一日

- 1 -

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!