大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和27(オ)1100 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人南利三の上告理由は添附の別紙記載のとおりであるが、自作法第五条

第四号においては法は指定を行うか否かについて何等客観的な標準を示して居らず

裁判所が知事の指定、不指定につき適法なりや否やを判断すべき基準がないのでこ

れは全く知事の政策的考慮に任せたものと見るの外ない。これに反し五号において

は「近く土地使用目的を変更するを相当とする農地」と標準を規定し居るのであつ

て、固より知事に一応の裁量権はあるけれども、右標準に明に該当する農地につい

て知事が指定を行わないで買収することはこれを裁判所において違法とすることが

出来るであろう、原判旨に矛盾があるわけではない。原審の認定した事実によれば

原審が本件土地は法にいう農地であり、法第五条各号に該当せず、これが買収は違

法でないとした判断は相当である。その他各論旨摘録の原判旨は相当である。原審

の認定に反する事実又は原審の認定しない事実を主張しこれを基礎として原判決を

攻撃する論旨は上告の理由とならない。その他論旨は「最高裁判所における民事上

告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至

三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を

含む」ものと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

- 1 -

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!