大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和27(オ)1149 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士勅使河原直三郎の上告理由は末尾添附別紙記載のとおりであつ

て、これに対し当裁判所は次のように判断する。

本件農地については売渡処分がすでに完了しその効力を生じていたのであるから、

その後に至つてD農地委員会がその売渡計画の取消を決議して県農地委員会に申達

したからとて、そのためにさきの売渡処分の効力が当然に左右されるものではない。

また強制譲渡は県知事が譲渡令書を農地所有者に交付したときに始めて譲渡義務を

生ずるのであるから、単に村農業委員会が強制譲渡計画を定めて県知事に申達した

というだけでは、売渡処分は影響を受けない。原判決は右のような見解の下に、「

上告人主張のような事由があつたからとて本件売渡処分の効力は左右されない」と

の趣旨を判示したものであるから、その判断は正当であつて論旨は理由がない。

よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見を以て、主

文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!