大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和27(オ)1281 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人の上告理由は末尾添附別紙記載のとおりであるが、原審は所論債務を

被上告人が履行しなかつたのは和解成立後に生じた事情によるものであつて、初め

から履行しない意思であつたものではないと認定し、従つて詐欺も錯誤もなかつた

というのであつて、錯誤はあつたけれどもその錯誤は要素に関するものではないと

いうのではない。それ故何等所論判例に反する判断をしたものではない。その他の

論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二五

年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる

「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。(和解当時上告人

が誠実に履行されるだろうと思つて居たのが予期に反して履行されなかつたとして

も、和解の当時から履行不可能の部分があつたとか或は当初から被上告人に履行の

意思がなかつたとかいう場合等の如き初めからの問題でない限り民法九五条の錯誤

には当らないこという迄もない。土地使用承諾書の交付を和解の内容としたという

事実の如きは和解調書にも記載なく原審も全然認定しない処で問題にならない。)

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

- 1 -

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!