大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(オ)371 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人等の上告理由は末尾添附の別紙記載のとおりである。

隠居者の財産留保は家督相続人との合意の下に為された時は確定日附がなくとも

少くとも当事者間においては効力あるものと解するを相当とする。右の如く確定日

附は当事者の効力においては絶対不動の要件ではない。従つて原審認定の如き事実

の下に法律に通暁しないDが有効に留保を為し得たものと信じ所有の意思を以て本

件不動産を占有した事は無理からぬことというべく、これにつき過失なしとした原

審の判断は正当である。なお財産全部の留保は相続人の遺留分について問題を生ず

るだけで、留保を全面的に無効ならしめるものではないと解すべきである。以上の

各点に関する大審院の判例は必ずしも確定的ではない。反対の趣旨と思われるもの

もないではないがそれは此際改めるものとする。それ故以上の諸点についての論旨

は採用し難い。その他の論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に

関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当

せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められ

ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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