大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)123 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用を三分しその二を被告人等の負担とする。

理 由

弁護人岡崎秀太郎の上告趣意第一点について。

所論は、原審で主張判断を経ていないばかりでなく、その前段は、期待可能性の

ないことを理由として無罪を主張し、後段は、将来奄美群島について刑の廃止と同

一の効果が生ずることあるべきことを理由とし、免訴の言渡を主張するのであつて、

法令違反の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして現在奄美群島

は日本国に返還されたけれど、被告人の犯罪との関係については、刑の廃止があつ

た場合には当らないことはすでに当裁判所大法廷の判示(昭和二七年(あ)第四三

四号同三〇年二月二三日言渡)するところであるからこの理由も認められない。

同第二点、第三点について。

所論第二点は、事実誤認と法令違反の主張に過ぎず刑訴四〇五条の上告理由に当

らない。また同第三点は、原判決の刑の量定を非難し憲法三六条違反を主張するけ

れども、憲法三六条にいう残虐な刑罰とは、所論のような趣旨でないことは、当裁

判所のくりかえし判示するところであるから、論旨は採用の限りでない。(昭和二

二年(れ)第三二三号同二三年六月二三日大法廷判決、参照)

同第四点について。

所論は単なる法令違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。

なお所論の前段において指摘する被告人の氏名は、Aであつて、第一察判決中にB

とあるのは誤記であること明らかである。また所論後段の刑法二五条が改正された

ことは所論のとおりであるが、この改正は執行猶予の条件の変更であつて、かかる

場合は刑法六条にいわゆる刑の変更にあたらないと解するのが当裁判所の判例とす

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るところである。(昭和二二年(れ)第二四七号同二三年一一月一〇日大法廷判決、

集二巻一二号一六六〇ノ一頁)。従つて刑訴四一一条五号を適用すべき場合にも当

らない。

その他記録を調べても同四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により主文のとおり判決する。

右は裁判官河村又介、同小林俊三の論旨第一点についての少数意見を除き裁判官

全員一致の意見である。

裁判官河村又介、同小林俊三の少数意見は、第一点引用の大法廷判決に示したと

おりである。

昭和三〇年三月二二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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