大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)1425 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人村上信金の上告趣意第一点について。

論旨は原判決の採証法則違反、事実誤認(これ等はいずれも適法な上告理由と

ならない)を指摘しつゝ、結局は、原審における控訴趣意が被告人のために不利益

な主張をしたということを前提として判例違反を主張するに帰する。しかし所論援

用の判例に、「被告人の不利益に是正すべきことを主張する」控訴趣意は許されな

い、というのは「第一審判決に比較して不利益な主張をする控訴趣意は許されない」

という意味であること明らかである。

ところが本件控訴趣意を第一審判決に比較してみると被告人のために不利益な主

張を含んではいないから、論旨はその前提を失い、理由がない。

同第二点について。

論旨は、原審における控訴趣意に事実誤認の主張が含まれているということを前

提として、原判決に判断遺脱、判例違反の違法があることを主張するのであるが、

所論の控訴趣意は量刑不当を主張したものであつて事実誤認を主張したものとは認

められないから、論旨はその前提を欠き理由がない。

同第三点について。

量刑不当の主張であつて、適法な上告理由とならない。

なお記録を調べてみても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和二九年一〇月二六日

最高裁判所第三小法廷

- 1 -

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!