大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)2307 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人中野慶治の上告趣意(後記)第一点は、違憲をいうけれども、その実質は

証拠の取捨判断に対する非難に外ならないものであつて、刑訴四〇五条の上告理由

に当らない。また同第二点は憲法三七条二項違反を主張するけれども、記録に徴す

れば所論証人は第一審公判において被告人の審問の機会を充分与えられたものであ

り、控訴審において同証人の喚問申請を却下しながら、第一審における同証人の供

述記載の調書を証拠とすることは、所論憲法の規定に違反するものでないことは、

当裁判所判例(昭和二三年(れ)一七一八号同二四年三月三一日第一小法廷判決、

判例集三巻三号三九五頁)の示すところである。論旨は理由がない。また記録を調

べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。(被告人の上告趣意書は

期限后に提出されたものであるから、その上告趣意につき判断を示さない。)

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和二九年八月二四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!