大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)2710 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人神道寛次の上告趣意について。

所論は、本件はレツドパージによる進歩的教授の追放に反対して、純真な全学生

が、思想、良心の自由と学問の独立、学園の自治のため起ち上つたことに端を発し、

事を構えてこの学生運動に対し一撃を加えたものであるという趣旨の主張を前提と

して、原判決が本件被告人等に建造物侵入等の罪を認めたのは憲法一九条に違反す

ると主張する。しかし原判決はなんら所論のような事実を認定していないのである

から、違憲の論旨は全く独自の見解を前提とするに帰し、刑訴四〇五条の適法な上

告理由に当らない。

弁護人馬場正夫の上告趣意について。

所論は、原判決が憲法一三条に違反すると主張するが、その理由とするところは、

本件は純然たる学園の自治に属する事件であつて、刑法上違法評価の対象となるべ

き案件ではなく、起訴せらるべき事件でもないという独自の見解のもとに結局実質

は事実誤認法令違反を主張するに帰し、刑訴四〇五条の上告理由とは認められない。

弁護人吉田政之助の上告趣意第一点について。

所論は、原判決が、被告人Aの本件行為をもつて他の被告人の建造物侵入罪の共

同正犯であると認定したのを、法律上及び判例上認められた共同正犯の理論に反し、

不当であると主張する。しかし原判決の判示するところによれば、原審が共同正犯

とした判断は正当であつてなんら違法はなく、所論引用の判例の趣旨に反するもの

でもない。

同第二点ないし第四点について。

所論第二点は、被告人Aの建造物立入行為には違法性がないという事実誤認法令

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違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(そして原判決の判断

は正当であつて、所論のような違法はない)。

同第三点及び第四点は、事実誤認法令違反の主張であつて刑訴四〇五条の上告理

由に当らない。(そして原判決の判断は正当であつて所論は独自の見解に過ぎない)。

その他記録を調べても同四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年四月一二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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