大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)2978 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鎌田豊吉の上告趣意第一、第二及び第三点について。

論旨は第一審公判において、起訴状の朗読、黙秘権の告知及び検察官の冒頭陳述

等がなされなかつたということを前提として憲法違反を主張する。しかしこれ等の

当然履践すべき訴訟手続については、刑事訴訟規則四四条により公判調書に記載す

る必要のない事項とされているものであるから、これ等のことが公判調書に記載さ

れていないからとて、その履践がなされなかつたということはできない。従つて論

旨はその前提を欠くものであつて採用することができない。

同第四点について。

記録を調べてみるとAの名義で被害者をBと記載した被害届が出されている。第

一審判決及び原判決に証拠として挙示されている「C作成の被害届」というのが、

右Bを被害者とする被害届を指すものであることは明らかである。そうしてこの被

害届は、第一審判決第二の三の犯罪事実につき被告人の自白を補強する証拠たり得

るものであるから、所論の原判決が憲法三八条三項に違背するとの主張はその前提

を欠き理由がない。

同第五点について。

量刑不当の主張であつて適法な上告理由とならない。

なお記録を調べてみても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和三〇年二月八日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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