大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)3524 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人村上冨士太郎の上告趣意について。

所論第一点は憲法三八条三項違反を主張するが、原審において主張なく、従つて

原審の判断を経ていない事項であるから、適法な上告理由とならない。のみならず

第一審判決は、所論被告人の自白の外多くの証拠を挙げて判示事実を認定している

こと明らかであつて、補強証拠を欠くという所論は全く当らない。従つて違憲の主

張はすでに前提を欠き採用のかぎりでない。

所論第二点は、単なる事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当ら

ない(なお記録によつて第一審判決挙示の証拠を調べてみると、原判決の判断は相

当であつて所論のような違法はない)。

所論第三点は単なる量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らな

い。

弁護人三野昌治の上告趣意について。

所論第一点ないし第三点は、本件における被告人の妻の行為に関連し、事実誤認

又は法令違反を主張するに過ぎず、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお第

一審判決の挙示する各証拠を照合すれば、原判決が本件事実の一部について、被告

人と被告人の妻との共謀による犯行があると認定し、しかしこのことは判決に影響

を及ぼす事実の誤認があるとはいえないと判断したことは相当であり、また右認定

をするについて所論のような矛盾は認められない。また単独犯の起訴を判決が共同

正犯と認定する場合、必ずしも常に訴因変更の手続を要するものでないことは、当

裁判所の判例〔昭和二七年(あ)第二二三三号昭和二八年一一月一〇日第三小法廷

判決、集七巻一一号二〇八九頁〕とするところであるから、所論のような違法もな

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い。)

その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年六月二一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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