大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)4286 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人Aの負担とする。

理 由

被告人B、同C、同Dの各上告趣意(追加を含む)中、事実誤認若しくは量刑不

当の主張は、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また、憲法三八条違反の主張は、

記録上所論供述強制の事実を認め得ないので採用できない。

被告人B、同C、同Dの弁護人関原勇の上告趣意第一点について。

所論は、被告人等の失業保険金受領が正当行為であることを前提として憲法二五

条違反を主張するのであるが、原判決の是認した第一審判決は、被告人等が共謀し

て判示のように虚偽の事実を作為して公共職業安定所の係員を欺罔して保険金を詐

取した事実を認定したものであつて、所論のように被告人等の失業保険金受領行為

が正当行為であることを認めたものではない。そして、第一審判決挙示の証拠によ

れば前記認定は正当と認められる。それ故、論旨は前提を欠き理由がない。

同第二点について。

所論は、本件公訴の提起が失業保険法の規定を無視して為された違法のものであ

るから、憲法三一条に違反すると主張するのであるが、所論のように職業安定所の

係員の調査を経なければ検察官が本件詐欺の公訴を提起し得ないごとき規定は存し

ないのであるから、本件公訴の提起は所論法規を無視して為されたものではなく、

違憲の主張は前提を欠き理由がない。

同第三点について。

所論は、控訴趣意として主張されず、従つて原審の判断を経ていないのであるか

ら、上告適法の理由とならない。のみならず、原判決の是認した第一審判決は第一

(一)乃至(三)の各犯罪事実を認定してこれを併合罪と認めて処断したこと適用

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法条に徴し明らかであつて、所論のように判決の理由にくいちがいもなく、また論

旨援用の当裁判所判例と相反する判断をしたものでもないこと判文上明らかである

から所論は理由がない。

同第四点(追加を含む)について。

所論は、量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

被告人Aの弁護人鈴木紀男の上告趣意は、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和三〇年一一月一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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