大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)4370 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人今西貞夫の上告趣意について。

所論は、要するに原審の事実誤認又は法令違反を主張するに帰し、刑訴四〇五条

の上告理由に当らない。

職権をもつて所論について調べてみるに、原審は本件につき破棄自判をするに当

り、特に事実の取調として検証、証人尋問を行つたことが認められ、判示説明と各

犯罪事実について挙示する証拠を照合してみると、原審の事実認定は相当であり、

所論のようにその判断が条理に反するものとは認められない。なお所論は、Aに対

する事実について、被告人の自白のみを証拠としたことに帰すると主張するが、原

判決は判示のように被告人の自白のほかなお多くの補強証拠を挙げており、これ等

の証拠を綜合すれば判示事実を認定するに十分である。そして被告人の公判廷外の

自白と補強証拠によつて犯罪事実を認定することができる以上、その犯人が被告人

であるとする証拠は、自白だけであつても違憲でないことは当裁判所大法廷の判示

するところであり、所論は採用のかぎりでない(昭和二三年(れ)第一三八二号同

二四年一一月二日判決、集三巻一一号一六九一頁)。また所論は被告人の自白の任

意性を否定し、その理由を力説するが、原審はこの点について特に検討を遂げた上

任意性を疑わしめるものがないと判示したのであつてその判断は相当である。その

他にこれと反する判断をすべき資料は記録上認められない。以上のとおりであるか

ら、原判決に所論のような事実誤認又は法令違反も認めることはできない。

その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年七月五日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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