大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)4378 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人岩村隆弘の上告趣意第一点について。

論旨は、原判決の肯認した第一審判決の事実認定には、「被告人は……A某と共

同して……アルコール分一〇・一度の焼酎一升七合を製造したものである」と判示

したのみなので、右判文中には被告人が犯行につきAとの間に意思連絡があつたこ

とを認めるに足りる事実理由の明示がないので、論旨引用の大審院判例と相反した

判断をした違法があると主張する。なるほど、第一審判決は罪となるべき事実とし

て起訴状の公訴事実記載を引用し、右の事実には所論のように「被告人は……Aと

共同して」と記載されているだけであるが、認定事実の趣旨は引用されている証拠

によつて補われるものであるところ、第一審判決挙示の証拠と相まてば、被告人に

おいてAと共同犯行の認識があり、意思の連絡のあつたことが窺われるばかりでな

く、原判決は「被告人が本件密造に共同加工した以上共同正犯の罪責を免かれない」

と判示したのであるから、被告人とAとの間の密造について意思の連絡のあつたこ

とを判示した趣旨と解することができる。それ故、所論判例違反の主張は前提を欠

き理由がない。

同第二点について。

所論は、事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の適法な上告理由に当らない。

被告人の上告趣意について。

所論は、事実誤認又は量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の適法な上告理由

に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

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よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和三〇年七月一二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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