最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)4636 決定
主 文
本件上告を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
理 由
弁護人増田伝吉の上告趣意第一点は、単なる法令違反又は量刑不当の主張であり、
同第二点は違憲をいうもその実質は審理不尽の主張であつて、いずれも刑訴四〇五
条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認
められない。(控訴審判決は、量刑において第一審判決と全く同様なのであるから、
原判決の刑より重い刑を言い渡したものでないこと明らかである。第一審判決も控
訴審判決も、執行猶予の期間を「裁判確定の日から」起算していることに変りはな
いのであるから、所論のように不利益に変更したことにはならない。また、訴訟費
用の負担は、刑の言渡ではないので、控訴審判決が同審の訴訟費用を被告人に負担
させたとて違法ではない。
控訴審が控訴趣意として主張された量刑不当について判断せず、他の控訴趣意を
理由あるものとして第一審判決を破棄自判して刑を言い渡したからとて、審理不尽
であるということはできない。量刑不当の控訴趣意は、第一審判決を破棄すべき理
由として主張されたのであるから、他の控訴趣意が理由あるものとして第一審判決
が破棄される以上、なお量刑不当の主張の当否を判断する実益はないばかりでなく、
控訴審は自判して刑を言い渡すに当りおのずから第一審判決の量刑の当否を判断し
ているものと解し得られるので、所論の量刑に関する主張も斟酌されているものと
認むべきである。)
よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で
主文のとおり決定する。
昭和三〇年八月二日
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最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
裁判官 垂 水 克 己
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