大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)5240 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人渡辺一男の上告趣意について。

本件記録によると、原審は被告人に対し昭和二八年六月一一日弁護人選任に関す

る問合せの書面及び控訴趣意書差出最終日通知書(最終日は昭和二八年七月一〇日)

を郵便により送達し(記録一三〇丁)、被告人は右最終日の三日前である同年七月

七日国選弁護人の選任を請求する旨の回答書とともに自ら作成した控訴趣意書を提

出したので(同一三一、一三二丁)、原審は昭和二八年一〇月六日弁護人を国選し

(同一三六丁)、右国選弁護人は同日の公判期日において被告人提出の控訴趣意書

に基いて弁論し、異議なく弁論を終了したことが認められる(同一三八丁)。そし

て原審が国選弁護人を選任した時期は当を得たものではないが、もともと被告人は、

控訴趣意書提出期限にきわめて近接して弁護人選任請求をしたのであるから、裁判

所が右提出期限後に弁護人を選任したとしても、これによつて憲法三七条三項の保

障する被告人の権利の行使を妨げたものとはいえないことは、当裁判所大法廷の判

例の趣旨に徴し明らかである(昭和二五年(あ)第二一五三号同二八年四月一日判

決、集七巻四号七一三頁以下参照)。論旨は理由がない。

被告本人の上告趣意は、違憲をいうが、その実質は事実誤認、審理不尽、量刑不

当の主張を出でないものであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和三〇年一〇月一八日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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