大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)5318 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人の上告趣意は、事実誤認の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らな

い。

弁護人中村稔の上告趣意について。

所論第一点は、原判決の説示によつては、恐喝行為と遊興費の支払を免れた行為

との間に因果関係が認められないという理由を前提として判例違反を主張する。所

論引用の大審院判例は、恐喝行為と不法利得との間に因果関係の存することを要す

る趣旨なること所論のとおりであるが、原審の維持する第一審判決の判示第二事実

を見ると、被告人の各所為を判示した上「因つて同額の財産上不法の利益を受け」

と判示しているから、因果関係を認めた趣旨なること明らかである。所論はまた第

一審判決によつては、被害者が明らかでないというが、判示について記録を精査し

てみると、AとBを被害者とした趣旨であることを十分に認めることができる。従

つて所論判例違反の主張は前提を欠き採用できない。所論第二点は、法令違反の主

張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお所論(一)について、第一

審判決が前記恐喝行為を認める証拠としたC作成の状況顛末書を挙げていること所

論のとおりであるが、記録に存するBの供述調書と対照すれば、同女がDことC方

で働いていた関係があること明らかである。所論(二)について、Bの検察官に対

する第一回供述調書と同人の公判廷における供述との間に相異があり、原判決はこ

の点に関し所論摘示のような記載をしていること所論のとおりであるが、その部分

の判示方法は適当とはいえないけれども、原判示は引きつづいて「記録をしらべて

みるに該調書の記載は同公判廷の証言よりも信憑性あり之を否定すべき事情は発見

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出来ない」と説明しているところからみれば、所論のような違法があるとはいえな

い。所論(三)について、第一審判決が証拠としたEに対するF作成の診断書に所

論の写真が貼布されていることは認められるが、その写真が特に罪証に供されてい

るとは認められない。)

その他記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

昭和三〇年一〇月一八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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