大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)955 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

告人本人の上告趣意は、被告人の本件行為が全く商慣習に基く適法な行為であつ

て、不法領得の意思もなかつたという事実を前提として憲法三九条違反を主張する

けれども本件記録を見ると、原判示の如く、被告人の本件行為が適法なものであり、

且不法領得の意思がなかつたという事実は認め得られないばかりでなく、却つて窃

盗の事実を肯認し得られるから、所論憲法違反の主張はその前提を欠き採用できな

い。(なお、昭和二四年(れ)第五九号、昭和二五年一一月八日大法廷判決参照)

また原判決が証拠に採用している被告人の供述が、任意性のないものであることは、

本件記録に徴し、全然認められない。

弁護人岩田幸平の上告趣意は、単なる事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の

上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認めら

れない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

昭和二九年九月七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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