最高裁判所第三小法廷 昭和28(し)40 決定
主 文
本件抗告を棄却する。
理 由
本件抗告の趣意は末尾添附別紙記載のとおりである。
一件記録によれば、原決定の説示するごとく「本件控訴趣意書提出期間の最終日
は昭和二八年二月二七日と定められ被告人に対しては適法な通知書が昭和二八年一
月三〇日なされているのに拘らず被告人は右期間を漫然徒過し同年三月一六日に至
り控訴趣意書を提出していること」が肯認できるのである。従つて原裁判所第三刑
事部が同年三月二六日被告人が期間内に控訴趣意書を差し出さないことを理由とし
て刑訴三八六条一項一号に従い控訴棄却の決定をし、同じく同裁判所第四刑事部が
これを容認したのは正当というべきである。
所論の刑訴規則二三八条の規定は控訴趣意書提出の遅延がやむを得ない事情に基
くものと認め期間内に差出されたものとして審判するか否かは控訴裁判所の裁量に
属するところと解すべきであるから、原裁判所が被告人の控訴趣意書について期間
内に提出したものとして審判をしなかつたからといつて、これを違法ということは
できないのである。(昭和二五年(あ)一六六五号、同二六年三月二二日第一小法
廷決定参照)。しかるに、本件抗告は刑訴三八六条一項一号及び刑訴規則二三八条
の解釈を誤り、訴訟手続には違法があることを前提として原決定は憲法三二条に違
反することを主張するものであるから、その立論はすでに根基を欠くものといわね
ばならない。
よつて抗告は理由がないから刑訴四三四条、四二六条一項により主文のとおり決
定する。
右は全裁判官一致の意見である。
昭和二八年八月一八日
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最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
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