大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(オ)1290 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人堤千秋の上告理由について。

所論第一点は、原判決は保証金の性質を誤認し、ひいて理由不備の違法があると

主張する。しかし原判決の判示説明と引用の証拠とを照合してみると、本件一〇万

円は、上告人が約定の反古紙を訴外D組から取得して被上告人に引渡すために、右

D組に差入るべき保証金として、被上告人との本件売買契約の存続期間に限り、こ

れを被上告人から預つたものであるとする事実認定は首肯できるところであつて、

誤認があるとはいえない。そして判文を通読すれば、原審は本件保証金を消費寄託

と解したことは明らかであつて、判示のような事実関係において、買主から保証金

を寄託することが必ずしも所論のように異例とはいえず、また貸借と判断しなけれ

ばならない理由もない。また本件保証金は、買主たる被上告人の売主たる被上告人

に対する売買代金債務の履行を確保する趣旨を有するのであるから、その期間は特

段の事由の存しない限り、その売買契約の期間と同一であるのが通例であり、かく

認定することになんら不合理はなく、従つて原判決に理由不備の違法はない。

所論第二点の理由そごの主張は、原審の前記認定判断を正解せざるに出でた非難

であつて、理由がなく、所論第三点は、本件保証金の担保する範囲につき原判決に

誤認があると主張するが、原審が証拠によつて適法になした事実認定と異なる見解

に立つて、結局原審の証拠の取捨ないし事実認定を非難するに帰し、採用のかぎり

でない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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