大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(オ)1451 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二

五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆ

る「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。(原判決は、被

上告組合は上告会社から原判示地下足袋を買受ける契約をし、代金を支払つたのに

上告会社は地下足袋を引渡さないので、上告会社との間に上告会社をして代金を返

済せしめ若し返済しないときは本件土地建物所有権を代物弁済として被上告組合に

譲渡すべきことを契約した事実を認定した上、上告会社の目的が原判示の通りのも

のであることは当事者間に争ないところであるから上告会社の代表取締役が右代物

弁済契約の締結をしたとしてもこれを同人の権限外の行為とすることはできないと

判示しているのであるから、所論(一)が地下足袋の買主は訴外栃木県D協会であ

り、又は上告会社代表取締役たるA個人であると主張するのは単なる原判決の事実

誤認の主張を前提とするものに過ぎない。原判示によれば代表取締役Aが上告会社

のためにした代物弁済契約は会社の目的遂行のためにする行為としてその権利能力

の範囲に属すると解せられ得るのである。所論の点について第三者の善意悪意を問

う必要はない。次に所論は右契約の民法九三条による無効をいうがこの点は原審に

おいて主張判断を経ていない。所論(二)については、営業は個個の物又は権利の

合計以上の価値を有する組織的一体であつて、営業譲渡契約はかかる組織的一体を

なす営業財産を譲渡し且つ譲受人をして譲渡人の経営者的地位を引継がしめる契約

であるから単なる営業財産の譲渡に過ぎない本件の場合に、これを営業譲渡にあた

らないとした原判決の判断は正当であり、所論の悪意があるか否かは問う必要がな

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いのであるから、所論(二)も理由がない。所論(三)は原審で主張判断を経てい

ない事項である。所論はいずれも採用し難い。)

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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