大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(オ)220 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人田中秀次の上告理由について。

被上告人が本件土地につきその所有者であつた訴外Dとの間の賃貸借契約により、

右土地に対し賃借権を取得したことは、上告人の自認するところであつて、右賃借

権の消滅原因に関する主張のない本件においては、被上告人の右賃借権は存続する

ものと認めるのが相当であること、原判決の引用する第一審判決の説示するとおり

である。そして本件土地につき上告人が登記簿上の所有名義を有しないことは、当

事者間に争なく、また土地の賃借人は該土地の所有権を取得したと主張する者に対

し、所有権取得登記の欠缺を主張する利益を有するものと解すべきであるから(昭

和八年(オ)六〇号同年五月九日大審院判決参照)、たとえ上告人が本件土地につ

き所有権を保有するとしても、これをもつて被上告人に対抗することはできないと

判断した原判決は正当である。論旨引用の判例は、いずれも本件に適切でなく、原

判決は右判例と相反する判断をしたところはない(上告人が信託的譲渡により本件

土地の所有名義を訴外Eの所有名義としたとの事実は、原判決の認めない事実であ

り、上告人が本件につき所論のように、書証、人証の申立をしたとの事実は、記録

上認められない)。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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