大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(オ)556 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人熊谷正治の上告理由(後記)について。

所論第三点は、被上告人の本件担保物の処分方法は被上告人の任意売却であつて

法律に定めた方法によらない売却処分であるから不法であるのに、原判決がこの換

価代金の充当を正当と判断したのは違法であり、かつ大審院判例に違反すると主張

する。しかし所論引用の判例は、質権といえども特別の契約があれば法律に定めた

方法によらない行使ができるという趣旨を示していること明らかであり、原判決は、

上告人が本件手形債務を支払わないときは被上告人は本件担保物件を任意処分しそ

の換価代金を右債務の弁済に充当し得る旨の特約があつたことを認定しているので

あるから、なんら右判例に違反するところはなく、この趣旨に出でた原判決の判断

は正当であつて違法はない。所論第一点は、結局原審が本件契約を担保差入契約と

認定したことを非難するに過ぎず、同第二点は原審で主張も判断もなかつた事項で

あり、いずれも論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法

律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又

同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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