大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)226 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人正木亮の上告趣意第一点について。

所論援用の判例は、公職選挙法二五二条及び衆議院議員選挙法一六七条に定める

選挙権、被選挙権の停止は刑法に定める刑罰そのものに該当しない、と判示してい

るだけであつて、この問題が刑訴三八一条にいう量刑の中に含まれないと言つてい

るのではないから、原判決がこれを同法条の量刑の問題として取扱つたからとて、

所論のような判例違反あるものということはできない。のみならずその後の当裁判

所の判例は、選挙権被選挙権を停止するか否かは刑訴三八一条にいう刑の量定とい

う中に含まれる旨を判示している(昭和二八年(あ)五三二二号同二九年六月二日

第二小法廷判決)。それ故原判決は正当であつて、論旨は理由がない。

同第二点について。

論旨は原判決に所論のような違法あることを前提として憲法違反を主張するので

あるが、所論のような違法のないことは上に説明したとおりであるから、論旨はそ

の前提を欠くこととなり、理由なきこと明らかである。

弁護人田辺恒之及び同千葉宗八の上告趣意第一点について。

当裁判所の判例に従えば、裁判所が公職選挙法二五二条三項によつて選挙権被選

挙権を停止しない旨の宣言をしなかつたからとてこれを憲法一五条に対する違反と

いうことはできない(昭和二八年(あ)五二八二号、同二九年四月二七日第三小法

廷判決、昭和二四年(れ)一九〇九号同二五年四月二六日大法廷判決参照)。論旨

の理由なきことは右の判例に照らして明らかである。

同第二点について。

論旨は量刑不当の主張に帰し適法な上告理由とならない。

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同第三点について。

論旨は単なる法令違反の主張であつて適法な上告理由とならない。(原判決が刑

訴三八一条に違反するものでないことは、正木弁護人の上告趣意第一点について説

明したとおりである)

なお記録を調べてみても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二九年一〇月二六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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