最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)2472 判決
主 文
本件上告を棄却する。
当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
理 由
弁護人樫田忠美の上告趣意第一点について。
被告人が所論A(国家地方警察司法巡査)から暴行を加えられ法律の定める手続
によらないで自由を奪われた旨の事実(原判決が証拠に採用している被告人の検察
官に対する各供述調書が作成された際、右Aがそれらの取調べに立ち会つていなか
つたことは、同人の第一審公判における証人としてなした供述から明らかである。
記録七七四丁)及び原判決も説明しているように、被告人の検察官に対する各供述
調書中の供述が、強制又は誘導等によりなされた旨の事実は、記録上これを認める
に足る証跡が存しないから、原判決が右供述調書を証拠に採用したからといつて、
これを目して違法であるということはできない。されば、所論憲法三一条、三八条
二項違反の主張は前提を欠くこととなるから採用できない。
同第二点について。
事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
被告本人の上告趣意は、事実誤認、訴訟法違反の主張を出でないものであつて、
刑訴四〇五条の上告理由に当らない(なお、被告人が検察庁において、無理な取り
調べのため心にもないことを認めさせられた旨の事実が記録上これを認めることが
できないことは、前示樫田弁護人の上告趣意第一点について記載したとおりである)。
その他記録を調べても同四一一条を適用すべき事由は認められない。
よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す
る。
昭和二九年一二月七日
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最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
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