大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)2709 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人四名弁護人長野法夫、同坂上富男の上告趣意第一点について。

しかし、公職選挙法二五二条が所論憲法の条規に違反する無効のものでないこと

は、昭和二九年(あ)第四三九号、昭和三〇年二月九日当裁判所大法廷判決の趣旨

に徴し明らかであるから、公職選挙法二五二条の違憲無効を前提として原判決の違

憲を主張する論旨はその理由がない。

同第二点について。

所論は単なる法令違反の主張に過ぎないから上告適法の理由に当らない。なお、

憲法三七条一項の公平な裁判所の裁判とは偏頗や不公平のおそれのない組織と構成

とをもつた裁判所による裁判を意味するのであつて、個々の事件につき、その内容

実質が具体的に公正妥当な裁判を指すのではないことは当裁判所の屡次の判例とす

るところである。そして論旨引用の札幌高等裁判所の判例は、第一審裁判所がその

第一回公判期日までに窃盗被告事件の被害者の始末書を閲読していたものと推断さ

れた案件につきなされたものであり、また論旨引用の当裁判所大法廷の判例は、詐

欺の事件につき、その起訴状に詐欺の前科の記載がある案件につきなされたもので

あつて、いずれも本件に適切でない。而して、第一審判決の事実摘示には、その表

示の方法においていささか正確を欠く点もあるけれども、結局この点についての原

判決の判断は正当であつて、刑訴三七八条三項に違反した点は認められない。

また本件につき記録を調べてみても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められ

ない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年五月三一日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

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