大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)2962 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人大道寺慶男の上告趣意は、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録

を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。(所論第一点は憲法三

六条、一一条、一三条を引用して原判決の憲法違反をいうけれども結局量刑の非難

であつて上告適法の理由にならない。若し刑の執行により著るしく健康を害する事

情にあれば刑訴四八二条一号により刑の執行を停止することができるのであつて、

犯行時心神耗弱の状態にあつたからといつて必ず刑の執行を猶予しなければならな

いものではない`。

同第二点は、心神障碍あるにより、減軽されたしとの控訴趣意を理由ありとして

一審判決を破棄し乍ら同一の刑に処したのは理由不備、刑訴四〇二条違反というの

であるが、原判決は心神耗弱の点は理由があるが、未だ執行猶予を与うべきもので

ないと判断したこと明らかでそこに何ら理由のくいちがいもなく、また第一審判決

より重い刑を言い渡したのでないから、刑訴四〇二条に違反するものでもない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和二九年一二日二四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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