大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)3177 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人Aの負担とする。

理 由

被告人Aの弁護人三根谷実蔵の上告趣意第一点について。

論旨は、憲法三一条違反をいうけれども、その実質は、原判決がたばこ専売法七

五条二項の解釈適用を誤つているとの単なる法令違反の主張に帰し適法なる上告理

由に当らない。なお同法七五条は、犯則物件またはこれに代るべき価額が犯則者の

手に存することを禁止するとともに、国がたばこの専売を独占しもつて国の財政収

入を確保するため、とくに必要没収、必要追徴の規定を設け、不正たばこの販売な

どの取締を厳重に励行しようとする趣旨であると解せられるから、同条二項により

同条項にいう「価額」を追徴するに当つては、犯則者たる本件被告人各自からそれ

ぞれその犯則物件に代るべき価額を追徴すべきであつて、所論のように、被告人両

名から右価額を追徴しこれを分担せしむべきものと解すべきではない。(相被告人

Bより金三一万七〇〇〇円を追徴すべきであるとの所論は、被告人A自身には無関

係の他人のことに関する主張であるのみならず、本件においては相被告人B自身に

とつても不利益な主張であるから、上告理由として不適法である。)

同第二点について。

所論は、事実誤認の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

被告人Bの弁護人芝権四郎の上告趣意について。

論旨中判例違反を主張する点は、挙示の判例は数人が共同して賄賂を収受した場

合に関するものであつて、事案を異にする本件には適切でなく、その余の論旨は事

実誤認とこれを前提とする単なる法令違反の主張であつて、すべて刑訴四〇五条の

上告理由に当らない。なお、たばこ専売法七五条一項所定の物件を他に譲り渡した

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ときは、その譲受人から右物件を没収する場合においても、その譲渡人からは、右

物件の価額を追徴しなければならないこと、当裁判所の判例とするところである(

昭和三一年(あ)第一一六一号同三三年四月一七日第一小法廷決定、集一二巻六号

一〇五八頁参照)。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号、一八一条(被告人Aに対し)により裁

判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

昭和三五年一二月六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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