大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)335 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人河辺久雄同小泉英一の上告趣意(後記)第一点について。

所論は違憲をいうが、裁判長が被告人に対し刑訴二九一条二項に定める供述拒否

権を告知しなかつたとしても違憲ではないこと、当裁判所大法廷判決の判示すると

ころであるから、論旨は理由がない(昭和二三年(れ)一〇一〇号同二四年二月九

日大法廷判決、刑集三巻二号一四六頁参照)。なお、論旨中には判例違背をも主張

しているが、その判例を具体的に示していないので適法な上告理由とならない。

同第二点及び第四点について。

所論は、事実誤認及び量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当ら

ないばかりでなく、同法四一一条を適用すべきものとも認められない。

同第三点について。

原判決は、第一審判決が「証拠によつて認めた事実」を引用しているのであるか

ら、原判決自ら第一審判決と同一の証拠により同一の事実を認定した趣旨であつて

刑訴三三五条の要件を具えたものと解し得られるのみならず、量刑不当の理由によ

り破棄自判するとき第一審が確定した事実に法令を適用して判決すれば足りること、

すでに当裁判所の判例とするところであるから(昭和二七年(あ)六三一六号同二

九年四月一三日第三小法廷判決、刑集八巻四号四六二頁)所論違憲の主張は前提を

欠き理由がない。

よつて、刑訴四〇八条に従い、裁判官の全員一致で主文のとおり判決する。

昭和二九年一一月九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

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裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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