大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)3837 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人の上告趣意は量刑の非難であり、弁護人佐々野虎一の上告趣意は、憲法二

五条一項違反を主張するが、同条同項の法意は、国家は国民一般に対して概括的に

健康で文化的な最低限度の生活を営ましめる責務を負担し、これを国政上の任務と

すべきであるとの趣旨であつて、この規定により、直接に個々の国民は国家に対し

て具体的現実的にかかる権利を有するものでないものであることは当裁判所大法廷

の判例(昭和二三年(れ)二〇五号同年九月二九日判決、刑集二巻一〇号一二三五

頁)であり、また憲法一三条違反を主張するがその実質は検事上訴の違憲無効の主

張であるところ、検事上訴が違憲でないことは当裁判所大法廷の判例(昭和二四年

新(れ)二二号同二五年九月二七日判決、刑集四巻九号一八〇五頁)とされており、

更に憲法三七条一項の迅速な裁判でないと非難するが、裁判が迅速を欠いたところ

でこれを上告の理由とできないこともまた当裁判所大法廷の判例(昭和二三年(れ)

一〇七一号同年一二月二二日判決、刑集二巻一四号一八五三頁)とされておるので

何れも採用できない。また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認め

られない。

よつて同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決す

る。

昭和三〇年五月二四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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