大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)3962 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人我妻源二郎の上告趣意第一点について。

所論は、原判決に法令の適用を遺脱した違法があるというのであつて、法令違反

の主張に帰し刑訴四〇五条の上告理由に当らない。なお所論については原判決が控

訴趣意第四点に説示するとおり、旧麻薬取締法(昭和二三年法律第一二三号)が新

麻薬取締法(昭和二八年三月一七日法律第一四号同四月一日施行)によつて廃止さ

れ、被告人の本件所為については、新法附則第一六項の「この法律の施行前にした

違反行為……に対する罰則の適用については、なお従前の例による」によつてなお

旧法の罰則が適用あるところ、この附則は総則的規定にすぎないから、判決におい

ては、旧法の罰則規定を掲げれば足り、附則を判示しないでも違法ではない。そし

てこのことはまた当裁判所の判例(昭和二九年(あ)第一六五四号同三一年四月二

四日第三小法廷判決、集一〇巻四号六〇〇頁。昭和二六年(あ)第三九七六号同二

七年一〇月二日第一小法廷決定、集六巻九号一〇九七頁各参照)の趣旨に徴し明ら

かである。

同第二点について。

所論は、事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理申に当らない。記録を

調べてみても原審の維持する第一審判決の事実認定は相当であつて所論のような違

法はない。

同第三点について。

所論は、第一審における訴因の変更の許否について主張するが、かかる理由は原

審においてなんら主張なく従つて判決のなかつた事項である。従つて適法な上告理

由とは認められない。

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同第四点について。

所論は、量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。記録を調

べてみても、原判決の論旨第一点に対する説示のとおり刑の執行を猶予すべきもの

とは認められない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められ

ない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三二年二月五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

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