大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)4040 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中四〇日を被告人に対する本件宣告刑中の懲

役刑に通算する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人本人の上告趣意は、単なる事実誤認、法令違反及び量刑不当の主張であつ

て、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人大橋弘利の上告趣意第一点について。

論旨は憲法三一条違反をいうが、実質は単に第一審判決宣告後第一審でなされた

勾留更新決定の違法をいいこれによつて控訴審の手続が当然違法となつたと主張す

るものであつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。〔勾留による拘禁継続の中途

において勾留更新手続に違法があつたとしてもそれは別途に救済の手続を履践すべ

きものであつてそのことが直ちにその後の判決自体を違法ならしめるものでもなけ

ればまた判決の基本となつた審判手続に違法があつたともいえないこと当裁判所の

判例とするところである(昭和二三年(れ)五一〇号同年九月一一日第二小法廷判

決、集二巻一〇号一二〇二頁)。記録によると、本件一審裁判所は一審判決宣告後

記録を原控訴審に送付するまでの間に昭和二九年六月二四日の決定で誤つて従前の

勾留を更新したところこの勾留更新決定前である六月二二日をもつて従前の勾留期

間はすでに満了していたので結局勾留期間満了により釈放されるべき被告人が釈放

されないで勾留更新を受け、この決定に対しては何ら不服申立がなかつたため、引

き続き勾留の執行を受けた結果となつたが、この決定の違法が原審での控訴の本案

の審判若くは未決通算を違法ならしめる虞の生じた事跡は記録上認め難い。〕

同第二点は単なる量刑不当の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

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また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、刑法二一条、刑訴一八一条により裁判官

全員一致の意見で主文のとおり決定する。

昭和三三年二月一一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

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