大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)656 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人宮崎梧一の上告趣意第一点び第三点、弁護人神垣秀六の上告趣意第一点に

ついて。

論旨は、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

所論は結局、原判決の維持した第一審判決が証拠に採用した証人Aの供述の虚偽

であることを主張して、原審並びに第一審が適法にした証拠の取捨判断並びに事実

の認定を非難するに帰するので採用できない。第一審判決挙示の証拠によれば、判

示横領の事実を認めることができるし、また被告人がAに対し、従来の証言と異な

り、金一万円はこれをBに交付した旨証言するよう依頼し、右依頼によつてAが公

判廷において従来の証言と異なり而も同証人の記憶に反する供述をなすに至つた事

実を認めることができるのであるから、被告人に偽証教唆罪を認めたことの正当で

あることは、原判決の説示するとおりである。

弁護人宮崎梧一の上告趣意第二点について。

所論第七回公判廷におけるAの供述が検察官によつて強要された偽証の告白であ

るとの事実は記録上認めることができないので、憲法三八条一項違反の論旨は、前

提を欠き理由がない。

同第四点について。

事実審裁判所が、普通の刑を法律において許された範囲内で量定した場合に、そ

れが被告人の側から見て過重の刑であるとしても、直ちにこれを憲法三六条の「残

虐な刑罰」といえないことは、当裁判所大法廷判決がすでに判示したとおりである

(昭和二二年(れ)三二三号同二三年六月二三日判決)。されば所論違憲の論旨の

理由ないことは、右判決趣旨に徴して明らかである。

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また、本件は刑訴四一条にいう刑の量定が甚だしく不当である場合に当るとも認

めることはできない。

弁護人神垣秀六の上告趣意第二点について。

所論は、量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三一年二月一四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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