大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)935 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人篠原陸朗の上告趣意第一点について。

論旨引用の検事稲田進五の答申書(記録一九一乃至一九二丁)を調べてみても同

検事の言動が所論のように被告人を陵虐する不当なものとは認められない。その他、

第一審が証拠として引用している被告人の検察官に対する各供述調書の記載が被告

人の任意の供述を録取したものでないとの疑は毫も存しないこと、原判決が理由を

附して説明しているとおりである。それ故所論憲法違反の主張はその前提を失い、

採用することができない。

同第二点について。

Aの犯罪が仮りに所論のように選挙法違反事件でなくて詐欺事件であつたとして

も、同人が本件被告人の相被告人でないという理由はなく、また同人の供述が本件

被告人に対する証拠となり得ないという理由もない。従つて同人の公判廷における

供述及び検察官に対する供述調書を被告人の検察官に対する各供述調書と共に証拠

として採用した第一審判決は、所論のように本人の自白を唯一の証拠として犯罪事

実を認定したものではない。それ故所論憲法違反の手張はその前提を欠き理由がな

い。

なお記録を調べてみても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二九年九月七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

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裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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