最高裁判所第三小法廷 昭和29(し)61 決定
主 文
本件特別抗告を棄却する。
理 由
申立人は原決定が憲法三二条に違反すると主張するので関係全記録を調査すると、
抗告人は昭和二九年二月二七日山梨県東八代郡a村bの自宅において同月六日附で
東京高等裁判所第一刑事部のした控訴趣意書の所定期間内不提出を理由とする控訴
棄却決定の送達を受けたが、これに対する刑訴三八六条二項に基く異議の申立書は
同年三日一〇日附で同月一二日に東京高等裁判所に到達しているに過ぎない。右規
定による異議の申立には即時抗告に関する規定が準用される結果同法四二二条によ
りその提起期間は三日であつて、その期間の経過により既に第一審判決及び控訴を
棄却した決定は確定したものである。もとより異議の申立に対しても上訴権回復に
関する規定つ準用のあること当裁判所の判例である(昭和二六年(し)五七号同年
一〇月六日第二小法廷決定、刑集五巻一一号二一七七頁)が本件においてはかかる
申立のなされた跡は認められない。従つて本件異議の申立は不適法として棄却すべ
きであつたのであり、原審が誤つてこれを適法として取り扱い異議申立を理由がな
いとして棄却したところで、その内容を憲法に違反するとして争うことは結局既に
確定した第一、二審の裁判に対し法律の認めない方法で不服の申立をすることに帰
し、特別抗告適法の理由にならないのである。
よつて刑訴四三四条四二六条一項に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり決
定する。
昭和二九年一一月三〇日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
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裁判官 河 村 又 介
裁判官 小 林 俊 三
裁判官 本 村 善 太 郎
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