大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(オ)20 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人熊川定一の上告理由について。

所論は、原判決が大審院判例に違反すると主張する。しかし原審の認定するとこ

ろによれば、上告人等が被上告人に対し支払うことを約した金員は、漁具代金及び

船員解散費金二八万円及び貸金二〇万円であつて、金二八万円の内訳は、上告人の

船舶二隻による漁業経営を被上告人に委任した契約を解除し、右船舶を返還する代

償として支払うことを約した被上告人の船員に対する未払給料約金一八万円及び漁

具類の購入整備費約金一〇万円であり、また金二〇万円は原審認定の如く当然の義

務の履行を確認したにすぎない。所論引用の判例は、借主の無知窮迫に乗じ特に短

期間の弁済を定め、借主をして弁済を為さざるとき貸金額の倍額にも等しき著しく

過当な財産的給付を為すべき旨約せしめた法律行為を無効とした事案であつて、本

件に全く当らない。されば所論は採用のかぎりでない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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