大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(オ)249 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由について。

論旨一は、原判決が民法一一〇条について判断したことを前提として、その判断

が判例に違反すると主張するのであるが、民法一一〇条にいう「権限アリト信スヘ

キ正当ノ理由」に当たる事由のあつたことは、上告人が原審において全く主張して

おらず、従つてまた原審はこれにつき何らの判断もしていないのであるから、かか

る判断のあることを前提とする所論は、すでにこの点において失当である。

論旨二は、本件家屋をDに与えたとの原判決の判断が引用の判例に違反するとい

うのであるが、右判例の事案は特殊な場合に関するものであつて本件に適切でなく、

原判決には所論の違法はない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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