大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和29(オ)671 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人斎藤忠雄の上告理由第一について。

原判決は、第一審判決目録記載の本件土地については、本件買収計画当時いまだ

植林を実施するまでにはいたつていなかつたけれども、北海道庁長官の認可を受け

た施業案により約二百二十町歩にわたりカラマツを新植し、これにともなう手入、

蔓切、除伐等が計画されていて造林経営の意図が明示されていた事実、並びに本件

土地の地形、土性、地床、植生等は、カラマツ、トドマツ、ドロノキ等の人工造林

である接続地と比較してこれに近似している事実等を認定した上、本件土地は林業

適地と認められ、植林の目的に主として供される土地であつて、自作農創設特別措

置法四〇条の二、四項五号の牧野に該当しないものと判断したのである。それ故、

原判決は所論のように被上告人の主観的意図のみを唯一の根拠として判断したもの

ではなく、論旨引用の当裁判所判例と相反する判断をしたところはないから、所論

は理由がない。

同第二について。

原判決は、前論旨につき説明したとおり、土地の状況その他の認定事実に基いて

本件土地が林業適地であり、牧野に該当しないものと判断したのであつて、その判

断は相当と認められ、原判決には所論の違法はない。論旨は、原判決の右判断を非

難するにほかならないので採用することができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

- 1 -

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!