大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(オ)718 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士岡部秀温の上告理由は末尾添附別紙記載のとおりであるが、同

一不動産について二重に売買が為された場合第二の買受人がその登記を為さなくと

も第一の買受人に対し「登記の欠缺を主張するにつき正当の利益を有する第三者」

に該当することは大審院昭和九年五月一日判決(昭和八年(オ)二六〇二号事件)

の示すとおりであり、右は売買当時その不動産が既登記であつたか否かにかかわり

なく而も今之を変更するの要あるを見ない。されば、本件において上告人が係争家

屋の所有権を被上告人の代物弁済による取得以前既に譲受けて居たとしても、その

譲受につき何等の登記手続の為されなかつたことにつき争のない本件にあつては被

上告人のためにする登記の有無に拘らずその譲受を以て被上告人に対抗するを得な

いものと謂わなければならない。従つて右と同旨の見解に出でた原判決は正当であ

つて此の点に関する論旨は理由がなく、その余の論旨はすべて、「最高裁判所にお

ける民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)

一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要

な主張を含む」ものと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

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裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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