大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(オ)796 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士豊田秀男の上告理由は末尾添附別紙記載のとおりであるが、原

審は要するに、所有権者であり賃貸人である被上告人と賃借人である上告人の双方

につき相互平等の立場に於てその諸般の事情を詳細に検討し、社会通念に照して被

上告人に係争家屋を必要とする程度より高く、結局原審口頭弁論終結約六箇月以前

に被上告人の為した解約申入につき正当の事由ありと為したにほかならないことが

原判文上明かであつて、所論の如く係争家屋の所有権帰属を殊更に重視し或は被上

告人の所有権取得後間もなく為した解約申入につき正当事由ありと為した趣意では

ない。のみならず、原審認定に係る事実関係の下に於ては原審の右判断の相当であ

ることを肯認し得られるのであつて、原審の借家法一条の二の解釈適用については

所論の如き違法なく、又原判決に所論理由齟齬の違法もない。その余の論旨はすべ

て原判決に影響を及ぼすことの明かな法令の違背を主張するものと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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