大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(オ)829 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由について。

所論の要旨は、本件土地の買収処分は、結局自作農を小作農と誤認して行つた違

法があるというに帰するのであるが、その前提たる手続において、県知事は、町農

地委員会の決議を無視しまたはその決議なくして賃貸借解約不許可処分をした違法

があり、法律上当然無効であるといい、併せて憲法一三条その他の条項を挙げ、こ

れに対する違反があると主張するのである。しかし本件買収処分当時施行されてい

た農地調整法九条三項の解約について、県知事がこれを許可をするには、所定の手

続を経由することを定めているが、仮りに上告人主張のような手続上の瑕疵があつ

たとしても、それによつて県知事の不許可処分が直ちに当然無効となると解すべき

でないこと、原判決の判示するとおりであつて、所論は採用のかぎりでない。また

所論の憲法各条項違反の主張は、本件行政処分に関する前記の主張について名を違

憲に藉るものであつて、判断するに値しない。(なお原判決は「仮りに……前記行

政処分が憲法に牴触するものと解することはできない」と判示し、所論はこの点に

ついてもその誤りを主張するものと見られないことはないが、前記説示のように、

原審における上告人の主張の実質は、本件行政処分の当然無効を主張するのに名を

違憲に藉るものであつて、原判示は不必要な仮定の傍論に過ぎないと解すべきであ

るから、これに対する非難としても採用することはできない)。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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