大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(オ)871 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

論旨は、原判決は第一審及控訴審共訴訟代理権なき者の訴訟行為に基いて為され

民訴三九五条一項四号に所謂「訴訟代理権又は代理人が訴訟行為を為すに必要なる

授権の欠缺ありたるとき」に該当するものであるとし一乃至四項に亘り縷々陳述す

る。しかし、本件記録には、上告会社の代表者たる「取締役社長D」の名義で、所

論関口正吉に本件の訴訟代理を委任する旨の訴訟委任状が編綴されている(一審の

委任状は記録二〇丁、二審の委任状は一一六丁)。而して、右各委任状の「D」の

名下に存する捺印は、(イ)本件記録編綴の印鑑証明下附申請書(記録一三三丁)

並に(ロ)本件上告状添附の上告会社代表者D作成に係る訴訟委任状に押捺された

同人の印鑑と全く同一である。

それ故、前記第一、二審の訴訟委任状は真正に成立したものと認められるのであ

つて、上告代理人提出の上申書その他本件に顕われた一切の資料によるも、未だに

わかに前記訴訟委任状が偽造であるとは認め難い。されば所論関口弁護士は、これ

により上告会社から本件訴訟代理権を授与されたものと認めるのが相当であり、所

論は採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い裁判官全員一致で、主文のとおり

判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 小 林 俊 三

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