大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(オ)896 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人里見馬城夫、岡田実五郎の上告理由第一点について。

所論は、本件土地所有者たる訴外Dが、右土地を被上告人等に賃貸したと認定す

るがためには、その前提として同訴外人と訴外Eとの間の賃貸借は如何になつたか

を解決しなければならないとし、原判決の理由不備を主張する。しかし上告人は、

本件土地につき自己に賃借権がありとし、これを保全するため賃貸人Dに代位し、

被上告人等はなんら権原なくして右地上にそれぞれ本件家屋を所有しているとして、

被上告人等に対し右各建物の収去等を求めるものであること記録上明らかであり、

これに対し原判決は、上告人が右Dから本件土地を賃借した事実と被上告人等が、

右Dから本件宅地を賃借占有している事実を認定した上、上告人の請求を失当と判

断したのであつてこの判断は相当であり、なんら違法のかどはない。けだし被上告

人等が本件土地を賃貸借に基いて占有する以上、賃貸人たる右Dが被上告人等に対

し土地明渡の請求権を有すべきいわれなく、従つて上告人に右Dの権利の代位行使

を認むべき余地を存しないからである。そして所論の右Dと訴外Eとの間の本件土

地に関する賃貸借は、上告人において上告人が本件土地賃借権を取得するに至つた

経過として主張するにすぎないものと認められるから、特に判断しなければならな

いものではない。従つて原判決に理由を欠く違法があるとの所論は採用できない。

同第二点について。

所論の(1)は、原審における証拠の取捨判断ないし事実認定の非難に帰するか

ら採用できない。所論の(2)については、原判決は、その認定事実に基き(原審

挙示の証拠によれば、右認定を維持しうるから虚無の証拠という所論は理由がない)、

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被上告人等がFに代理権ありと信ずべき正当の理由を有するものと判示しているの

であつて、右の原判示には、所論のような違法は認められない。所論は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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