大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和29(オ)906 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告理由は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人岩沢誠、同村部芳太郎の上告理由第一点について。

論旨は事実認定の非難に帰し適法の上告理由とならない(準防火地域だからとて

空地を存すべき法令上の制限は原則としてはない。また本件空地が建設大臣から空

地地区として指定された旨の主張もなされていない)。

同第二点の一について。

家屋賃貸借の解約につき正当の事由の有無を判断するにあたつて所有権が重視さ

るべきであること所論のとおりであるとしても、それは如何なる事情の下において

も所有権がすべての権利にまさるという趣旨に解すべきでないこと論をまたない。

原審が当事者双方の利害関係その他諸般の事情を考慮して正当事由なしと判断した

のは相当であつて、所論のような違法はない。論旨援用の判例は事例を異にし本件

に適切でない。、論旨は理由がない。

同第二点の二、三について。

論旨はいずれも事実認定の非難に帰する。論旨援用の判例はいずれも本件に適切

でない。論旨は採用できない。

同第三点について。

論旨は憲法違反に名を藉りて実は原審の事実認定を非難するに帰するから、採用

できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

- 1 -

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!