大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)1248 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

一、被告人本人の上告趣意は違憲をいうが実質は事実誤認と量刑不当の主張をい

でないものであつて適法の上告理由とならない。

一、弁護人石井錦樹の上告趣意について。

論旨としては違憲をいうが、これまたその実質は単なる訴訟法違反の主張に帰す

るものと認められるから採用できない。なお記録について所論の点を調査すると、

原審は控訴趣意書差出最終日を昭和三〇年二月二八日と指定し、その通知書と共に

弁護人選任に関する通知書を被告人に送達したところ(記録二三二丁二三三丁)、

被告人は右最終日の受附で控訴趣意書を原審に提出し、併せて国選弁護人を選任し

て欲しい旨の回答をして来たのである(記録二三四丁二三七丁)。

その後国選弁護人の選任のないまゝで原審第一回公判期日が指定され、同年三月

一七日の第一回公判において在廷の弁護人高橋万五郎が国選され、前記被告人提出

の控訴趣意書に基いて弁論していることが認められるのであつて(記録二三八丁以

下)、もとより右高橋弁護人は叙上の原審の処置に対して何ら異議を述べた形跡も

ないのである。以上の事実関係から更に当裁判所の判例を見ると、所論の弁護人に

対する趣意書提出最終日の通知に関しては、昭和二五年(あ)第二七七七号同二七

年五月六日の第三小法廷の判決があり、また原審がその第一回公判において国選弁

護人を選任した点に関しては、昭和二八年(あ)第一三〇三号同二九年一一月三〇

日の第三小法廷の決定がある。これ等の判例に照らしてみれば原判決を破棄すべき

でないこと明らかである。

また記録を調べてみても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

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よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

昭和三二年一月二二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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