大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)1529 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人宮原守男の上告趣意第一点について。

所論は、憲法三八条二項違反を主張するけれども、原審で主張されず、従つて原

審の判断を経ていない事項について違憲を主張するものであるから、上告適法の理

由とならない。のみならず所論各供述調書の供述が強制によるものであることを認

めるに足りる資料は記録になく、また所論各供述調書を証拠とすることは第一審公

判において同意があつたこと記録上明らかであるから、かかる書面に記載された供

述の任意性を調査する必要はないのである。されば第一審判決が右供述調書を証拠

に供したことは相当であつて、これを是認した原判決に違法はない。

同第二点について。

所論は、憲法三八条三項違反を主張するけれども、原審で主張されず、従つて原

審の判断を経ていない事項について違憲を主張するものであるから、上告適法の理

由とならない。のみならず、所論被告人の自白を補強するに足る証拠としては、A

の検察官に対する各供述調書謄本のほか第一審判決挙示の顛末書、買受始末書の各

謄本、盗難届等が存するのであるから、所論は前提を欠き採用できない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三二年一〇月二九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

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