大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)1565 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人段林作太郎の上告趣意第一点及び第三点について。

所論は、原審の量刑は酷に失し不公平な判決であるとし、憲法三七条一項の違反

(第一点)及び同七六条三項の違反(第三点)を主張する。しかし、憲法三七条一

項の公平な裁判所の裁判というのは、構成その他において偏頗のおそれのない裁判

所の裁判という意味であり、また憲法七六条三項の裁判官が良心に従うというのは、

裁判官が有形無形の外部の圧迫乃至誘惑に屈しないで自己内心の良識と道徳感に従

うという意味であること、当裁判所の判例に示されているとおりである(昭和二二

年(れ)第四八号同二三年五月二六日大法廷判決、集二巻五号五一一頁。昭和二二

年(れ)三三七号同二三年一一月一七日大法廷判決、集二巻一二号一五六五頁各参

照)。してみれば所論のような理由によつて原判決が憲法の右各条項に違反するも

のであるとする主張の採用できないことは右判例に徴し明らかである。

同第二点について。

所論は、原審が被告人の重要な証人を故なく却下したことを理由として憲法三七

条二項違反を主張する。しかし、憲法三七条二項は、裁判所は、被告人又は弁護人

の申請した証人は、不必要と思われる者まですべて喚問しなければならないという

趣旨ではないことは当裁判所の判例の示すところである(昭和二三年(れ)第二三

〇号同年七月二九日大法廷判決、集二巻九号一〇四五頁参照)。そしてまた所論の

証人を原審が喚問しなかつたことを不当とすべき事情も記録上認め難い。すなわち

第一審公判において、被告人の父Aを証人として被告人の素行、将来の監督等につ

いて尋問しており、また原審公判において、被害者からの上申書(寛大な処置あり

たき旨)を取調べているのであつて、原審がそれ以上更に所論の証人の喚問を必要

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としないと認めて却下したことは必ずしも不当とはいえない。

同第四点について。

所論は刑訴四〇五条の上告理由にあたらない(そして記録を調べてみても、被告

人に対する科刑は必ずしも甚しく不当であるとは認められない。)。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年九月二七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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