大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)1810 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

本件上告は、昭和三〇年五月二一日各被告本人より申立てられたこと、当裁判所

は昭和三〇年六月二〇日附にて上告趣意書提出最終日を昭和三〇年八月一日と指定

して各被告人に通知をしたところ、各被告人は昭和三〇年六月二一日又は同月二二

日右通知を受領したこと、その後各被告人は昭和三〇年六月二七日附書面で弁護士

遊田多聞、同一松弘を弁護人とする旨の選任届を当裁判所に提出したこと、弁護人

遊田多聞、同一松弘は昭和三〇年八月二〇日附にて被告人A外一三名に関する上告

趣意書を提出し、右上告趣意書は昭和三〇年八月一九日当裁判所に受理されたこと

は、いずれも記録上明らかである。

ところで、上告趣意書提出最終日の指定は、上告申立人に通知すべきものであり、

上告申立人に弁護人があるときは弁護人にもその通知をしなければならないことは、

刑事訴訟規則二五二条、二六六条、二三六条により明らかであるが、弁護人に対す

る右通知は、最終日を指定するに際してなされるのであるから、前記規定によつて

通知しなければならない弁護人は、その当時すでに選任されている弁護人をさすの

であつて、最終日指定後に弁護人選任届の提出された弁護人を含むものではないと

解すべきである(昭和二五年(あ)二七七七号昭和二七年五月六日当裁判所第三小

法廷判決、集六巻五号七三三頁参照)。それ故、本件弁護人遊田多聞、同一松弘の

上告趣意書は上告趣意書を差し出すべき所定期間経過後に提出されたものと認むべ

きであり、右と異なる見解に立つて本件趣意書が期間内に提出されたものであると

主張する所論は採用することができない。(なお、念のため弁護人提出の上告趣意

書を検討すると、論旨第一点は各被告人の検察官に対する供述調書の内容が検察官

の強制拷問若しくは脅迫による自白であると言い、被告人Aは自白を唯一の証拠と

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して有罪とされたものであると言い、違憲を主張するのであるが、所論強制等の事

実は記録上認められず、被告人Aの自白には補強証拠の存すること原判決の説示す

るとおりである。論旨第二点は事実誤認、同第三点は量刑不当の各主張であつて、

いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らないし、また刑訴四一一条を適用すべき事

由も認められない)。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項一号により裁判官全員一致の意見で主文のと

おり決定する。

昭和三〇年一二月二六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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