大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)2160 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人品川孝の上告趣意は事実誤認を前提とする単なる法令違反及び量刑不当の

主張であつて適法な上告理由とならない。

被告人本人の上告趣意書は趣意書提出期間経過後提出されたものであるから、採

用することができない。(論旨は先ず憲法三七条二項の違反を主張する。なるほど

原審は所論の証人尋問申請を却下しているけれども、それは原審において右証人尋

問の必要を認めなかつたことよるのであつて、かゝる場合その処置を以つて違憲と

いえないこと既に屡次の判例が示しているとおりである。なお記録によると本件の

場合は刑法四二条一項に規定する「未タ官ニ発覚セサル前」に当らないものと解せ

られる。次に論旨は憲法三八条二項の違反を主張するが所論は原審で主張、判断の

ない事項であるばかりでなく、仮りに所論の違法があつたとしても、被告人の司法

警察員に対する供述調書は本件で証拠に採用されていないし、被告人のいうような

事実は記録上認められない。結局所論は前提を欠くものである。その余の所論は事

実誤認と単なる法令違反の主張である。所論の診断書については適法な証拠調が行

われ、被告人において之を証拠とすることについて同意していること記録上明らか

であり、また第一審判決が被告人において証拠とすることに同意したAの司法警察

員に対する供述調書及び被告人の検察官に対する第六、七回供述調書によつて本件

業務上横領の事実を認定したものであること、判文上明白である。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年一二月二六日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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