大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)2236 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人遠山丙市の上告趣意第一点について。

被告人に対して実刑を科し執行猶予の言渡をしなかつたとしても、それは法律に

よつて認められた裁判所の自由裁量権の範囲に属するところであり、必ずしも憲法

一三条に違反するものではないことは当裁判所の判例とするところである(昭和二

二年(れ)第二〇一号、同二三年三月二四日大法廷判決参照)。また憲法三七条一

項にいわゆる「公平な裁判所の裁判」とは偏頗や不公平のおそれのない組織と構成

をもつた裁判所による裁判を意味するものであつて、個々の事件につきその内容実

質が具体的に公正妥当である裁判を指すものではないことも当裁判所の判例とする

ところであり(昭和二二年(れ)第四八号、同二三年五月二六日大法廷判決参照)、

今なおその変更の必要を見ない。従つて原審が被告人に対して実刑を科したからと

て、これを目して直ちに憲法三七条一項に違反するものとなすことはできない。論

旨は理由がない。

同第二点について。

所論は量刑不当の主張であつて上告適法の理由とならない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三〇年一〇月二五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

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裁判官 垂 水 克 己

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